パソコン記帳の失敗例・・・・
パソコン会計で記帳すれば正確で楽で経費節減ができると、始める人が増えました。
民商でもそう奨める。しかし、それは、現金管理や資料保存・書類管理など、記帳の体制がそろっていることが前提条件となります。
売上が売掛帳に記載されないままになるとか、売掛は記載されたが入金を記載できなかったため、二重にお客さんに請求して信用を落としたとか・・・・
いくら、パソコン会計を始めたとしても、請求書・領収書の紛失、売掛金の受領について領収書を書かずに受け取る、帳簿の保存場所が定かでない・・・・。自分が商売をし、ひとりで現金管理や資料保存をやっている小零細業者ならまだ記憶が残っているのでなんとかなる場合もあるが、一定の従業員を抱え、一定の規模の企業でそういう状態では、記帳は進まないし、無理やり進めたとしても、不正確な帳簿となる。そこで、パソコン会計を挫折する。
民商では、基本は手書きと、まず、現金管理の仕方や資料保存の仕方から始める。
それは、単に税金対策だけでなく、経営対策の基本だから。
事務所を置くような規模の会社では、その事務所をどこに置くかだけでも、事務処理の流れが変わる。
現金管理・資料管理のルールが徹底されるか?
ルールを作っても徹底されないのは、作ったルールが現実の営業活動と合わないからで、現実の営業活動に合い、資料保存・記帳のルールが実際に確立するルールに変えなくてはならない。
そういう、実際の営業活動と、資料保存・記帳のルールが合致、徹底できている会社ほど、事務室は整理整頓が出来ている。即座に自分の状態を数字でつかめるから、敏速に必要な経営方針を立てられる。
そのルールは難しいものか?
以前(30年前)、ある魚屋さんに行った。その魚屋さんでは、色の違う大きなザル二つ天井から太いゴムで吊るしてあった。一つは売上を入れるザル、もう一つはお釣りのザル。店売りの売上はすべてそのザル引き下ろして入れる。お釣りはお釣り用のザルから出す。あとは、毎日奥さんが集計し・記帳。次の日のお釣り(毎日5万円分)をおつり用のザルに用意する。
仕出し売上のお金は従業員は絶対受け取らない。どんなに忙しくても奥さんが受け取り、領収書を必ず書く。といっても、納品した夜に日付を入れずに領収書に書いておいて、受け取った時は日付だけ記入し、渡す。そうすれば、短時間で渡せるし、渡していない領収書を見れば未収もすぐわかる。
支払いは、金庫の中から出金、代りに領収書を入れておく、領収書がもらえない場合は出金伝票を入れる。
こうして、営業時間中の現金取引は、簡潔で、なおかつ後で分かる方法で保存し、毎夜記帳し現金の有り高を確認する。記帳をする人と現金管理を最終的に集約する人とは同じ人の方がよい。つまり、金庫番がお金の動きを一番分かるから、その人が記帳をすべきだ。ただ、それだけに、絶対信用できる人物でなければいけない。
・・・・・当時のボクはまだ民商に入局まもない頃、民商への入会を勧めにいって、その奥さんにこの方法をおそわった。奥さんは「レジにせよとか言わず、この方法を変えなくてよいなら民商に入ります」と言った。ボクは、「素晴らしいです。そのままでかまいません」と、その知恵に感動して言ったことを覚えている。中小業者の工夫の素晴らしさに圧倒された。
その魚屋さんは、その後すぐに大きなスーパーに成長し、鮮度の良さで人気を集め、進出した大手スーパーにも負けずにがんばった。がっちり稼ぐ方だったが、消費税反対運動や平和を守る運動にはずっと協力していただいた。だが、その名物社長はもう亡くなってしまった。
もう一軒の超鮮魚で超有名な魚屋さんは、拡張して大きな「仕出しを中心の仕出し工場軒スーパー」を建設した。以前からの会員さんである。ボクよりも民商歴が長い。こちらは、それに伴っての記帳整備を(当時まだ高額だった)パソコンで始めた、必要性は人を成長させるようで、けっこうお年の(失礼!)奥さんだけど、業者はすごい。頑張って売掛管理・会計管理を自分でやり、その後、事務従業員、嫁にやらせている。自分が経験してきただけに指示は的確だ。
平成元年の消費税の導入にも、商品の値段札を2種、3種に別けるように徹底、卸売りの1種とあわせて、その日の種別売上が即座に集計できるようにして、簡易課税対策も即座に対応した。
要は工夫。自分の経営状態をよく見て、その生産や経営の流れの邪魔にならない、アンド、確実に実行できるルールを作り、全員にその必要性を理解してもらうことだと思う。
その前提なしには、パソコン会計は不可能(パソコン会計だけでなく、手書きも、コンピューターも、どういう記帳方法でも)だし、それ以上に経営対策、税金対策の上でも非常に危険な状態と言わざるをえない。
それと、整理棚への整理、7年以上経たものは廃棄する、などの整理も必要でしょう。
パソコン会計が挫折しそうになっている方は、民商にご相談ください。
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